『木管楽器は水洗いしてはいけません!』
先生や先輩方からこの一言だけ伝えられて、なぜ洗ってはいけないのか知らない人も多いのではないでしょうか。
クラリネットならわかるけど、フルートは木材で作られていないし…
金管楽器は洗っているのに、本当に洗っちゃいけないの?と思いませんか。
フルートの中にはコルクが入っている
表面から見ることはできませんが、フルートの頭部管の中にはコルクが入っております。
コルクは水分を含むと変形してしまいます。
コルクが変形すると、その先端についている反射板という金属の板に歪みが生じます。
反射板が歪んでしまうと、音のバランスが崩れてしまうので正しい音が出なくなってしまいます。
しかし、修理に出せば直すことが可能ですよ。
タンポは水に弱い
奏者にしか分かりませんが、フルートのキイの裏側の部分には、”タンポ”がついております。
タンポは柔らかく、キイからの音漏れ防止と、キレイに音を響かせる役割を担っております。
もしタンポがついていなかったら、キイを押すたびにカチャカチャ音がして、耳障りになります。
それに、金属同士を直接合わせたら傷ついてしまいますよね。
さて、タンポは水分を吸収しやすい素材なので、洗うとびしゃびしゃになって劣化し、音が出なくなってしまいます。
間違えて洗ったり濡らしてしまっても、タンポ自体は消耗品で交換可能なので、心配しなくても大丈夫です。
金属と水の相性はよくない
フルートはシルバーカラーのものがほとんどですが、シルバーメッキを施しているだけで、素材はそれぞれ異なります。
フルートに使用されている素材
主な素材には、プラチナ、金、銀、洋銀、白銅、木材のものがあると言われております。
木材のものは水に弱く、腐ったり割れてしまう可能性があるので水洗い厳禁です。
金属製のものだと、メッキがはがれたり、サビる可能性があるので、やはり水洗いは避けたほうが良いのです。
貴金属のアクセサリーも、『水に濡らさないほうが良い』と聞いたことはありませんか。
ジュエリーと一緒
話は脱線しますが、プラチナ・金・銀は、本来サビることはありません。
しかし、とても柔らかく、形を保つのが困難なのです。
そこで、他の金属と混ぜ合わせて、プラチナ900や18金や14金にして硬度を出すのです。
フルートも同様で、純金だと形が保つことが困難なので、合金を使用します。
だからサビる可能性があるのです。
中には24金のフルートもあるようですが、柔らかすぎて楽器にふさわしくないので、少量ですが他の金属が混ざっているようですよ。
まとめ
水で洗ってしまっても、修理に出したら直るでしょう。
しかし、修理の間は自分の楽器で練習することができなくなります。
水洗いは避けて、正しいお手入れをして大切に使ってあげてくださいね。
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